青雲之志　町長コラム（10月）

公共交通プロジェクト

　　「車も乗らないし、足もよくない。バス停も遠いから大変よ」以前地域を歩いた時、最も多いお声が「バス」の話でした。町の住民意識調査（平成31年）で、町の良いところで最も評価が低かったのが「交通の便」についてでした。高校生が答えた最も力をいれるべき施策は「公共交通」でした。

　今、「わたむき自動車プロジェクト」という公共交通活性化事業に取り組んでいます。路線バスや町営バスのみならず、タクシー、オンデマンド交通、事業所等のチャーターバス等のあらゆる輸送資源を総動員して、公共交通のベストミックスを模索する取り組みです。

　まず進めているのは「小学校のバス通学」です。遠距離徒歩通学の児童に対して、事業所チャーターバス等を活用したバス通学を検討しています。現在、湖南サンライズの児童さんを対象にした実証実験に取り組んでいます。今後も地域の要望に応じて対応をしていきます。

　次に進めているのは「工業団地等へのバス通勤」です。当町は昼間7千人が町外へ流出し、逆に1万人が流入する昼間人口の多い町です。その多くは町内工業団地への通勤者ですが、工業団地等へ乗り入れるバスはありません。バス路線が実現できれば、利便性向上、渋滞解消、CO2排出削減等にも貢献します。現在、事業所の方にご協力いただき実証実験を進めています。

　そして今後「住民の移動」を検討していきます。住民の足となる町営バスについては、既存路線のあり方とともに、従来カバーしきれなかった地域に対し、小回りの効く車両でのオンデマンド交通の導入をめざしています。来年2月頃には南比都佐地区や必佐地区の一部地域で実証実験を行い、地域の方の声をお聞きします。今後その他地区での実験も検討します。

　今までにない取り組みなので、課題もたくさんあります。しかし何とか良くしたいと考えています。皆さんのご意見をお聞かせください。努力をして、町民の皆さんに喜んでもらえる公共交通にしてまいります。