青雲之志 町長コラム(12月)
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骨髄提供を終えて 命のリレーを完走
昨年12月の本コラムで、骨髄バンクドナー候補者に選ばれたことをお伝えしました。そして今年、詳しい時期は申し上げられませんが、5日程度の入院を経て、骨髄提供を無事に終えることができました。
実際の提供方法は「末梢血幹細胞移植(まっしょうけつかんさいぼういしょく)」というもので、骨髄に針を刺す方法ではなく、全身麻酔も必要ありませんでした。この方法は、G-CSFという白血球を増やす薬を数日間注射し、血液中に幹細胞を増やしてから、成分献血と同じような機械で幹細胞だけを採取するというものです。採取中は本を読んだり、看護師さんとお話ししたりと、思っていたよりずっとリラックスして過ごせました。
驚いたのは回復の早さです。退院後の体調は普段通りで、すぐに公務に戻ることができました。周囲にご心配をおかけすることもなく、スムーズに完了できて本当に良かったと思っています。
今回の経験で心から感じたのは、周りの方々の理解と支えのありがたさです。家族が背中を押してくれ、職員の皆さんも心強く送り出してくれました。そして、骨髄バンクのコーディネーターさんの細やかな配慮や、病院スタッフの方々の温かい励ましもあり、多くの方に支えられて実現できたことと痛感しています。
私の幹細胞を受け取った方が、今も元気に過ごしておられることを思うと、なんとも言えない気持ちになります。「滋賀骨髄献血の和を広げる会」の片岡(かたおか)会長と後藤(ごとう)日野町議会議員に声をかけていただいたことから始まった「命のリレー」が、確かにバトンを渡せたんだと実感しています。
日野町はじめ県内各自治体では、骨髄バンクドナーへの助成制度を用意しています。私自身の経験を通じて、これからも一人の人間として、骨髄バンクの普及啓発に取り組んでいきたいと思います。一人でも多くの方にドナー登録をしていただき、多くの命が救われることを心から願っています。

広報ひの2025年12月号掲載
日野町長 堀江和博

