青雲之志 町長コラム(6月)
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先人を敬う心を、未来の子どもたちへ
このたび、蒲生氏郷公顕彰会(がもううじさとこうけんしょうかい)の皆さまから、副読本『日野の英雄 蒲生氏郷を知る』をご寄贈いただきました。今年、町内の小学5年生全員が、この一冊を手にすることになりました。心より感謝申し上げます。
この背景には45回にわたる「がもにゃん通信」の積み重ねがあります。氏郷公の人柄や生涯を、子どもたちの心に届くやさしい言葉で綴り続けてくださった若林(わかばやし)副会長、そしてそれを一冊にまとめようと提案された奥田(おくだ)会長をはじめ、顕彰会の皆さまのご尽力には頭の下がる思いです。こうした地道な取り組みが、まちの未来を確かに耕してくださっているのだとあらためて感じています。
ところで、先人をたたえ、その遺徳をしのぶという行いは、目の前の利益や成果といった物差しでは測りにくいものかもしれません。しかし『論語』のなかには、「終わりを慎み遠きを追えば、民の徳厚きに帰す」という言葉があります。亡くなった人を丁寧に弔い、遠い先祖を心にとどめる――そうした営みを大切にする社会では、人々の徳が自然と厚みを増していく、という教えです。
すぐに見返りの返ってこない行いだからこそ、そこに意味があるのだと私は思います。自分のことだけ、今のことだけ――そうした視点を一旦脇に置き、誰かのために、あるいはまだ見ぬ次の世代のために何が残せるかを考える。先人への敬意は、まさにそうした心を私たちの内に育ててくれる礎ではないでしょうか。先人が礎を築いてくださった日野のまちが、今なお私たちの暮らしを支えているように、私たちもまた、次の時代を支える側でありたいと思います。
副読本を手にした子どもたちが、先人の生き方にふれながら、自分の暮らすまちを誇りに思い、やがて自分も誰かのために何かを残せる人へと育っていく。日野の先人を敬う心を、これからも町ぐるみで大切に紡いでまいります。

広報ひの2026年6月号掲載
日野町長 堀江和博

