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近江日野商人

[2007年3月1日]

近江商人とは

 一般に近江の国出身の商人を総称して「近江商人」といいます。その中でも蒲生郡、神崎郡、愛知郡など、いわゆる湖東地方からは数多くの名商・豪商が現われました。
 近江商人の成功には、生まれながらの商才とたくましさもさることながら、質素、倹約、正直、利潤追求の抑制という独特の商業思想と、本家と出店を分離して独立採算制を取り、丁稚制度で鍛えられた手代・番頭を経営に当たらせるという経営方針にあったとか。現代の商社に近江商人の系譜を引くものが多いのも、こうした経営思想が現代を先取りするものであったことを示しているのではないでしょうか。
 近江の国に吹いた商いの風は、今もその新鮮さを失うことなく多くのことを私たちに語りかけてくれます。

近江日野商人とは

商法の特徴

 領主蒲生家の国替えで活気をなくした日野。生活の活路を見出すため、行商に出るようになった人々は、近江商人の中にあって、特に「日野商人」と呼ばれるようになりました。
 ほかの近江商人とは異なり、「千両たまれば新しい店を出す」という小型店経営に主流を置き、非常に多くの店を大都市はもちろん、関東一円の地方都市や田舎にまで出したことや、醸造業を営むものが多かったこと、「万病感応丸」と呼ばれる漢方薬の製造販売を行うなどの独自の商いを行っていました。

日野大當番(おおとうばん)

 日野商人は、相互扶助と効率の面から「日野大當番(おおとうばん)」という独自集団を組織し、主要街道の宿場町に「日野商人定宿」という指定旅館を設け、行商の便宜と安全の確保を図りました。
 この大当番は、幕府の庇護のもとに設けられた組織で、大名などへの貸付金の返済が滞った場合には、幕府の威光のもと徴収できる特権を持っていました。このため大当番には、日野のみならず近在の近江商人たちがこぞって参加しました。

社会奉仕事業

 日野商人の特徴として社会奉仕事業があります。これは、日野商人の多くが心学という学問を修めていたことに由来します。
 心学とは、心のあり方を研究し、社会奉仕を最大の徳とする学問。この考えに基づいて家訓や商いの経営理念を築いた日野商人は、街道に常夜燈を寄進したり、道や橋の補修・開発に資金を提供しました。
 商売ばかりではなく多くの社会事業も行った日野商人の心は、彼らが築いた静かな町並みとともに、現在に大切に引き継がれています。
近江日野商人館

近江日野商人館

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