青雲之志 町長コラム(8月)
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私のお盆行事
8月になりました。子どもたちの楽しい夏休みも始まっています。今年はコロナ禍の制限もなく、ようやく本来の夏休みとなることをとてもうれしく思います。夏休みには、水辺で遊んだり、キャンプをしたり、旅行に行ったりとさまざまなイベントの機会が増えますが、その中でも「お盆行事」はとりわけ大事な機会だと思っています。
私の地元集落では、お精霊(しょうらい)というお盆行事があり、子どものころから参加しています。しょうらい山と呼ばれる集落の山に、大きな松明(たいまつ)を作ります。13日の夜に迎え火としてその大松明に火を灯し、その火をそれぞれの松明に移し、山から下り、集落各戸のお仏壇の灯明となります。15日未明には送り火として、これと逆のことを行います。
夏の夜空に燃え上がる松明の灯には先祖の魂が宿っており、暗闇の中での灯りと、独特な鐘と太鼓のリズムはとても神秘的なものです。私は子どもに、この神秘的な行事によって、「ご先祖様が帰ってきている」ということをしっかりと伝えるようにしています。自身の存在が、自身だけで成り立っているのではなく、連綿(れんめん)とつながってきた先祖・家族のおかげであることを知ってほしいからです。
この体験は、すべては縁でつながっていることを直感的に理解する手助けとなります。先祖を敬うことは、自分自身を敬うことと同義です。先祖供養をすることは厳しい人生を生きていくための道標(みちしるべ)になります。いよいよ今年もお盆がやってきます。私も子どもたちと一緒にこの大切なお盆行事を迎えたいと思います。

広報ひの2023年8月号掲載
日野町長 堀江和博