青雲之志 町長コラム(10月)
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「人生七掛け論」で生きる
今年は9月18日が敬老の日でしたが、いつもこの時期に疑問に思うことがあります。現役バリバリで若々しい方が、戸籍上の年齢だけで、その対象者となることにです。正直違和感を覚えざるを得ません。
わが国では65歳以上を高齢者としており、74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と定義しています。しかしながら、平均寿命が短かった昔の年齢の感覚と、人生百年と言われる現代の年齢の感覚は明らかに違います。
百歳でもなお現役医師であった日野原重明(ひのはら しげあき)さんは、「人生七掛け論」を提唱されました。つまり「自分の年齢×7割」ぐらいが、張り合いをもって人生を送るのにちょうどいい年齢だということです。60歳なら42歳、70歳なら49歳、80歳でも56歳です。
80歳が56歳というのなら、まだ定年退職にすらなっていません。まだまだ働いてもらわないといけません。もっと地域に社会に貢献してもらわないといけません。お洒落をして人生を楽しまなければなりません。自分がやってみたいこと、新しいことにもチャレンジしなければなりません。
昭和10年生まれの若宮正子(わかみや まさこ)さんは、80歳でプログラミングを学ばれ、iPhone(アイフォーン)用スマホアプリを独学で開発されました。世界最高齢のプログラマーと呼ばれ、世界も大注目。国連でスピーチされるなど、88歳の今でも元気で活躍されています。
「とにかくバッターボックスに立って、バットを振ってみる。振ったら、当たるかもしれないじゃないですか」そう話す若宮さんのチャレンジを見ると、人は何歳からでも変われるのだということに気付きます。日野原先生の「人生七掛け論」と若宮さんの「とにかくバットを振ること」、とてもすてきな考え方だと思いませんか。
広報ひの2023年10月号掲載
日野町長 堀江和博